Vol.2 アメリカ フミ・クリステンセンさん




カリフォルニアワインではナパが有名ですが、それに劣らずアメリカ国内で人気があるのはナパ郡のとなりのソノマ郡。 私が毎週月曜の夜に通うサンタローザ卓球クラブはソノマ郡の中にあります。 
メンバーは累計60人ほどですが、常時プレーするのは20人前後で、半分くらいが初心者かそれに近いプレーヤーで、後の半分が中級、上級者です。

日本の卓球クラブ事情に比べてはっきり違うと思ったことが2つあります。
一つは、こちらのプレーヤーは基礎練習をしないのです。 その日のメンバーにより、3つか4つのレベル別グループに分けられ、そのグループ内で少しウォームアップ練習のあと、総当たり戦をするのです。 基礎がしっかりしていないとどんなスポーツでも力を伸ばすことが出来ない、という正論など考えたこともない人たちが殆どを占めており、ある日など、たまたま日本人の上級プレーヤーにフォア打ちの練習をしてもらっていたところ、それを見ていたクラブの一人に「フォアばかりで打ってるけどバックも混ぜて練習しないとバランスが良くない」と注意されてしまいました。 基礎練習なしのプレーヤーたちはそれならばたいしたことはなかろうと思うのですが、それが中々いろんな隠し技を持っており、油断できないのです。強打に次ぐ強打を素早く左右にかわしたり、見たこともないサービスで相手を翻弄することは朝飯前で、打ち合いの最中に右手のラケットを左に持ち替えたりする技は中級あたりの相手を威圧するのに便利な武器になって、中級の下あたりをさまよう私はいつも彼らの餌食になっています。でもさすがに基礎練習抜きで上級というのは無理な話のようですね。

もう一つは、大変国際色豊かなことです。いろんな国出身の人が集まっており、毎週が国際試合なのです。
中国人が数名、インド人も数名、最近では常連になっています。いつか、きれいなサリーを着用した彼らの奥様も同伴でプレーしていたのには少し感動しました。 時々ロシア人も参加し、のっそりした熊が素手で川に泳ぐ魚を簡単に掴むように、大柄な彼らは速球を打ち返すのです。
ギリシャ人も一人います。イタリア人だと思っていたのですが、名前は長ったらしく難しく、何度聞いても覚えられないので「アリ」と呼んでくれ、と言われました。でもなんとなくちゃんと名前を覚えられないのを咎められているような気がしたのでスペルを書いてくれと言ったら「Aristoteles」と書いたのです。エッ? あの哲学者と同じ名前? そう言うと、彼は照れたような不機嫌なような顔でそうだと答えました。イタリア人ならここでおもしろい冗談の一つも飛ばして笑わすところでしょうが、やっぱりギリシャ人は哲学的に少し人生の憂いを伴った返事になるのです。 そういえば彼は試合中もめったに笑顔を見せず、自分の凡ミスにも厳しく自分を戒めるような、哲学的な顔を見せます。その代りといってはなんですが、ボールに強いスピンをかけるのを得意とする彼が思い切り強いドライブ打ちをするとき、半ば開いた口がやや世俗的なところを見せてくれてホッとします。
ほかに半常連でドイツに住むイギリス人もいてメキシコ人、ポルトガル人もたまに参加したり、と今思い出すだけでも国際交流の名に恥じない顔ぶれです。
とはいってもアメリカ人は3分の2以上を占め、重いドライブを得意とするジム(写真左)は数少ない上級者の一人で、時々は1枚ラバーのカットマンに変換もできる特技の持ち主です。 日本人の奥様との間に7歳になる可愛い息子のアイバー(写真中)がおり、彼も時々ダディーと一緒にクラブでボール打ちを楽しんでいます。

このクラブの管理を引き受けてくれているサンタクロースのような体格と顔立ちのデイブ(写真右)は足を傷めたためフットワークということを一切せず、テーブルの真中からかなり的確でひん曲がったボールを相手に与えて恐れられています。近くの大学で卓球のクラスも教え、卓球の普及にひとかたならぬ貢献をしていただいているクラブの重要人物です。ついでに言うと、彼は囲碁のアマチュア5段の腕も持ち、退屈な生活を知らない人のようです。
このクラブの参加方法は、参加の度に4ドルを払えばOKです。最初は無料ですので皆さんの参加、お待ちしてます。

フミ クリステンセン






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